2018年4月28日土曜日

20180428 校正はじめた

タロットカードの本の校正を今日から始めたけど、とても楽しい。調子に乗って、たくさん加えてしまうと、分厚くなってしまう。初校の段階では、全体のフォーマットが崩れてもあまり気にしなくてすむ段階ではないか。3校だともう無理。
タロットの場合、「お伝えしたいことがあります」みたいな項目がたくさんあって、いつまでもいじりまわしたい、という気分にもなりやすい。
腰を壊しているので、ちょっと遠くのスタバに行くのも億劫だ。でも、校正は65インチ4Kテレビで扱うのが、理想的で、持ち歩きのサーフェスでやると、ごく一部しか見えない。1ページの上から下までも表示しきれない。
初校の締め切りは17日あたりなので、それまでは動画は作らない。

戻ってきたマークレビンソンのプリアンプNo.38SLの話だが、オーバーホールに出すまでは、低音が出なかった。これは電解コンデンサの経年変化によるもので、今回はコンデンサをいろいろ取り替えたので、低音はしっかり出るようになった。
で、あらためて思ったのは、このプリアンプは暗い音だということだ。たぶん微妙なトーンとか、音の襞みたいなものを表現しようとして、全体に、ほの暗い感じの音になる。それに比較して、同じくオーバーホールしたクレルのKSLは、能天気で明るく、何も考えていません、みたいな音だ。
クレルのKSLは当時の定価が42万円とかくらいで、これはプリアンプとしては安物というところだった。でも、そのぶん、工夫のない音というか、神経質にならない感じがあった。マクレビのNo38SLは、あまり評判のいい型番ではないが、それでも、だいたい当時100万円くらいのプリアンプで、これはプリとしては、標準的というか普通かな。ずっと長い間、マッキントッシュのC46を使っていて、これはだいたい80万円くらいのプリアンプだが、いまマクレビのNo38SLを聞いていると、あきらかに、C46のほうが、平板で陰影がない。まろやかで、そして同じトーンの音が鳴り続ける。音の角は取れていくが、角の取りすぎでもある。ずっと昔、ブルメスターのプリアンプを使っていたが、これは300万円くらいのプリアンプではないかと思う。で、音はまったく好みではなかった。いままでプリアンプはかなり多くのものを使ったが、プリアンプの違いというのは、微妙すぎてなかなか難しい。
マクレビの音は細身で豪快と思っていると、このちょっとだけ病気的な暗いNo.38SLは、違和感があるかもしれない。でも初代のマークレビンソン本人は、ちょっと病気の人だし、マッキントッシュのゴールドちりばめた金満家のトーンとはかなり違うね。
アンプはみな90年代が過ぎて、現代に近づくほど、メーカーの違いはなくなり、みな似た音になり癖がなくなる。オーディオに趣味性を求めるなら、限界が95年あたりだろうか。その前のものを探す必要がある。
古い演奏家の音楽を聴くと、その個性の強さにあっと驚いてハマってしまうのと同じだ。
NO.38SLは、音がやわらかく、音楽の微細な感じ、多彩な陰影を再現する。C46にはこの多彩なカラー表現はとうてい無理なので、C46よりは、優れているように聞こえる。創始者のマークレビンソンを追い出して、それでいてマークレビンソンの基本を継承し、行過ぎないように、中庸の中で繊細さをうまく表現しようとする努力の最初の製品ではないか。プリアンプもこのクラスになると、表情を工夫するようになるということだ。(KSLの段階では、まだこの手のものは気にしていない。)

昨年の二月にここのマンションの部屋を借りて、そのときには、ワグナーを聴きたいために、マッキンのMC602というパワーアンプ、JBL4348というスピーカー、そしてプリにC46を手に入れたのだが、まったくのところ、呆れるくらいワグナー的でなかった。しかし、いまこのマクレビのNo.38SLと、マクレビの336Lというパワーアンプで聴くと、なかなかワグナーがいい。
いまジュリアス・カッチェンのブラームス聴いているけど、この表現の微細な感じは、MC602+C46+JBL4348では出なかった。華美な感じになるだけだった。


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